日本におけるハム文化

ハムというのは、当然ながら西洋から輸入した食文化でしょう。そのため、日本の家庭でも食べられるようになったのは、それほど古い話ではないようです。昭和に入るとソーセージの缶詰等が出回り始めますが、その頃はまだ高級品で、庶民が口にすることはなかったようです。銀座に専門店が出来るなどしたようですが、物珍しい風景だったと言われています。高価なハムを何とか庶民も味わいたいと願うようになり、うさぎの肉で造られたハムが出回ることもありましたが、豚肉のハムが普及するのは先のことでした。加えて太平洋戦争が勃発すると、西洋色の濃いハムが遠ざけられるようになり、ますます庶民にとって縁遠い食品になってしまったようです。

しかし戦後は少しずつ食卓に上がるようになり、その上うさぎの肉を使うわけにもいかなかったので、「プレスハム」という技術開発も後押しとなり、ハムが普及するようになったそうです。プレスハムは細切れの安い肉を固めて造ったハムであり、庶民でも手の届く価格で売り出されました。また、日本人らしく、魚肉ソーセージが開発されたことも、大きな影響を与えたのではないでしょうか。安価な魚肉ソーセージが開発されたことでも、庶民の食卓の選択肢も広がったようですね。魚肉ソーセージには豚の油も添加されたことから、その風味は立派なものとなりました。戦後は食生活がどんどん欧米化する中で、いよいよ本物のハム、ソーセージへの需要が高まっていったと言われています。

そして現代のハムはギフトとしても重宝される上質なものから、どこのスーパーでも買えるような気軽なお値段のものまで多種多様です。もしかしたらこれからもハム製作技術は発展を遂げていくかもしれませんね。